学環ブログ

商品の値引き額を決める際に応用できる微分

こんにちは。UEAの佐川です。

前回は、データサイエンスの学びを前編・後編の2回に分けてお届けしてきました。
まだ読んでいない方は、こちらのブログをご覧ください👀
 👉 地域未来共創学環で学ぶ「データサイエンス」とは?【前編】
 👉 地域未来共創学環で学ぶ「データサイエンス」とは?【後編】

さて、前回のブログで予告したとおり、
今回はデータサイエンスの授業を担当する教員を紹介します📣

ご紹介するのは、小西康文(こにし やすふみ)先生です。
小西先生の専門分野は数理物理で、地域未来共創学環の
プログラム共通科目の「データサイエンス」に関する授業科目では、
「微積分学」「多変数の微積分学」を担当いただきます🧑‍🏫

「データサイエンス」と聞くと、少しワクワクし、
「微積分学」と聞くと高校の数学が思い出されるかもしれません。
では、実際にはどのようなことを学ぶのか、小西先生、教えてください🙋‍♂️

■実は、微分は、お店の収益を最大にする商品の割引き額の算出に活用できるんです!

こんにちは。
地域未来共創学環で、「微積分学」「多変数の微積分学」の授業を担当する小西です。
私の専門分野は数学を用いて物理現象を記述するような分野となります。
微積分学のような基礎数学は、複雑な物理現象だけでなく
ビジネスやデータサイエンスを理解していくうえでも必要になります。

ビジネスで微積分学がどのように役立つのか
直ぐにはイメージが湧かないかもしれませんが、
例えば、お店の収益を最大にするために商品をいくら割り引けばよいか等、
微分を使って考察できるんですよ。
意外ではないですか?

(佐川UEA)そんなことができるんですか!?
     商品の割引を考えるために微分を使うとは驚きです!
     こういう計算は簡単にできるものなのですか?

(小西先生)実はできるんです。
     過去に割引セールを行ったデータがあるという前提となりますが、
     そのデータから商品の価格と売上個数の関係がわかるとします。
     例えば、「10円割り引くごとに売上個数が20個増える」というような関係です。

     データから、商品の価格と売上個数の関係がわかれば
     売上個数に対するお店の収益を関数で記述することができます。

     ここで、微分を使って関数のグラフを描くときに学ぶ知識を使い、
     売上個数に対するお店の収益の「変化率」が
     増加から減少へ転じる点を求めることで、
     お店の収益が最大となる時の売上個数とその時の商品の価格が分かります。

     つまり元の商品の価格からどれだけ割り引けば
     お店の収益が最大になるのかがわかるということになります。

     販売の経験を積んでいけば、どのくらい割引くと売れるかは
     体感的にはわかるかもしれませんが、「経験」や「勘」に左右されますよね。
     収益が最大になる割引き額を決めるために必要なのは
     過去のデータから導かれた客観的な根拠なので、
     そこで使えるのが数学的な知識なのです。

     ここでは、過去の販売データを基に
     「10円割り引くごとに売上個数が20個増える」という
     単純なモデルを例として考えました。
     さらに、天気や気温など他のデータ等も利用した異なるモデルを考えると
     販売予測を立てることができるかもしれませんね。
     この時は、「変化率」が減少から増加へ転じる点を求めることで、
     利用したデータとモデルの誤差が最小となるような
     モデルを考えることになりますね。
     AIの仕組みも、基本的には学習データと正解データの誤差が
     最小になるように学習しています。

(佐川UEA)販売予測にも応用できるんですね!
     これからは、お店の割引を見た時に
     どういう計算をしているか気になってしまいそうです。

■より身近に感じていただける微積分の授業を考えています。

私たちが生活していく上で、身の回りの小さな問題から
社会問題となるような大きな問題まで、
あらゆる問題に対処していかなければなりません。

そのためには、文系・理系の区別を越えた
分野・文理横断型の知識や能力が必要
となってきます。
中には数学の計算が苦手な人もいるかもしれませんが、
今ではコンピュータの力を借りて数学の計算を行い
理解していくこともできます。

分野・文理横断型の学びにより数学的素養をもったみなさんが、
本学で養った課題解決能力を活かし社会で活躍できるように
一緒に学修していきましょう!

(佐川UEA)世の中の課題解決には、分野・文理横断の学びは欠かせないのですね。
     ビジネス志向が強い学生もデータサイエンスを学ぶので、
     コンピュータの力を借りて数学の計算ができると、
     学びが広がりますね!

(小西先生)そうですね!私が担当する「微積分学」は、
     1年次で履修し、分野・文理横断には欠かせない
     ビジネスやデータサイエンスの入り口となる学びです。
     先ほど言及したような関数のグラフを描くといった学びが
     経済学や様々な事象の最適化への応用にもつながっていきます。
     ここをしっかり学べば、ビジネやデータサイエンスの学びが進みます。
     そのために、皆さんには、より身近に感じていただける
     微積分の授業を考えていますので、楽しみにしていてください!

■高校生へのメッセージ

学環に入学した際は、コーオプ教育のような
大学で学ぶ内容を実践できる学修環境を活かし、
他大学ではなかなか経験できない社会や
地域との関わり合いの中で充実した学生生活を送ってください。

・  ・  ・  ・  ・

小西先生、ありがとうございました!

まさか、高校数学で学ぶ微分が
社会でこのように応用されているとは驚きでしたね!

学環で学ぶ学生の皆さんには、コーオプ実習をとおして
学校で学んだことと社会での実践をむすびつけ、
実践力を身に付けていただきたいと思います。

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