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学環学生が行く!地域未来共創学環『授業紹介』インタビュー 【第6回 「多変量解析」(鈴木 智也 先生)】

こんにちは!学環学生広報アンバサダーの つっちー と ゆもと です!

今回は、2年次前学期に開講されている「多変量解析」という授業について、担当の鈴木智也先生にインタビューを行いました!

つっちー:
 「多変量解析」の授業内容について教えてください。

鈴木先生:
 その説明に入る前に、つっちーさんは高校時代に何かデータをとっていましたか?

つっちー:
 私は、人からの評価を数値化するという探究テーマでデータを集めていました!

鈴木先生:
 その『人からの評価』というデータは、例えばアンケートを実施して5点満点で色々な項目の評価をしてもらうものだと思うのだけど、その項目がたくさん増えれば、それが多変量データとなります。
 そういうデータを数字だけ眺めていてもよく特徴がわからないので、うまく統計分析をして特徴を可視化してわかりやすくしましょうっていうのが、「多変量解析」です!
 多変量解析自体は、データから特徴や法則を抽出する道具でしかないのです。ただ道具の仕組みがわからないと出てきた答えに責任を持てないし、間違った使い方をすると間違った結果が出てしまいます。そこで、正しい意思決定ができるよう、原理を理解する必要があるというわけです。

ゆもと:
 1年次生が2年次のプログラム選択に向けて「地域ビジネスデザインプログラム」を選択するか、「地域創生データサイエンスプログラム」を選択するか迷っていて、特にデータサイエンスに興味はあるけど数学の難しさに直面している学生も多くいます。そんな学生が「多変量解析」を履修するにあたって、どれくらい数学の学力を必要としますか?

鈴木先生:
 「多変量解析」に関連する数学は結構広いのですが、一つ一つはそんなに深くありません。特に、微分・積分、ベクトル・行列、確率・統計、数列の計算が関係しますが、基礎的な原理を理解できていれば充分です。しかし多くの学生は、演習問題を解くことが最優先になりがちなので、真に必要な数学の学力として「原理の理解」も強調したいです。演習問題を解くことも重要ですが、公式の丸暗記だけで問題が解けても、あまり意味がないですよね… むしろ原理を理解していれば、自分で公式を導びくこともできますよね。

つっちー:
 「多変量解析」と聞くと、理系っぽい印象が強いように感じますが実際はどうなんでしょうか?

鈴木先生:
 それは違います。
 もともと統計学自体が文系の学問ですから。高度な数学は使わずに、検定で有効かどうかを判断するための道具なので、心理学や経済学、マーケティングなど、文系の科目で多く使います。だから昔は専門的な科目としてではなく基盤教育科目で必ず習っていました。もちろんツールはたくさんあるんですが、先ほど強調した「原理」を理解して使ってほしいです。できればPythonを使って自分で動かせるようになってほしいです。ツールに頼りすぎてしまうと間違った解釈をしてしまい、それに気づかず顧客や上司に伝えてしまう可能性があるので、とても危険です。

ゆもと:
 「多変量解析」はデータサイエンスの根幹にあるような授業だと思うのですが、実際に自治体や企業で働くときにどのように活かせるのでしょうか?

鈴木先生:
 根拠に基づく提案としてEBPM(Evidence-Based Policy Making) という用語がありますが、ここで「多変量解析」で学んだことが活かせます。例えば自治体が扱うデータは多変量データですが、他の自治体と比較するような横の広がりや、毎年の変化量を比較する時間方向の広がりもあって、とても膨大なんですよね。これを人にわかるように可視化して、提案にもっていくのがEBPMです。客観的根拠や証拠をデータから導いていくためには統計学が必要です。

ゆもと:
 茨城新聞で取り上げられていた、先生が作成した人口減少アプリもその一例でしょうか?

鈴木先生:
 あれはまさに「多変量解析」ですね。あれは「多変量解析」の弱点を人間の知恵で乗り越えましょうというツールなのです。
 “データサイエンスあるある”として、結果は出るけど信じられない結果もよく出るんです。疑似相関とか逆因果ってやつですね。有名な話だと「アイスクリームが売れると溺れて死んじゃう人が増えるからアイスは危険だ」ともいえるけど、明らかに『季節』という第三の変数が関与していますよね。そんな分析結果を人間が見たときに、ディスカッションができるように、可視化ツールを作っているんです。

つっちー:
 学環生にもっと「多変量解析」を受講してもらうには、授業選択を妨げるハードルを一つ一つ潰していくのが必要かもしれませんね。
 まずはプログラミングが一つのハードルでしょうか。

鈴木先生:
 「多変量解析」でPythonを用いる場合は、ライブラリをどう組み合わせるかが重要なので、そこまでプログラミングはハードルではないですね。今はAIがある程度作ってくれるので、それを解釈できて手直しできればもう十分なんですよね。「プログラミングⅠ」の授業でその基礎を学んでいるので、大まかなソースコードは理解できると思います。

つっちー:
 次に考えられるハードルは数学でしょうか?

鈴木先生:
 繰り返しになりますが深い数学はいらないです。広く浅くできていればいいんです。数学の演習問題を解けなくても、概念や原理を理解できれば良いということです。例えば「偏微分」で1つの変数だけを動かすという概念は、「多変量解析」では他の変数は固定したまま特定の変数だけを変化させることと同じです。このように数学の概念を利用して、データ分析技術の原理を理解することができます。

ゆもと:
 確かに演習問題は解けなくても積分が何をする処理なのか、確率がどういうふうに求められるのかが説明できていれば「多変量解析」のアルゴリズムの理解はできますよね。

つっちー:
 あとは、ハードルとして時間割で他の授業と被ってしまうところもありますね…

鈴木先生:
 基本的に学環の専門科目を学ぶうえで、「多変量解析」は早いうちに基礎を固めた方がいいですね。必修ではないとはいえ、田原先生の「マーケティング・サイエンス」や、福与先生の「コミュニティビジネス」にも関係する重要な授業ですから。また、理想的にはコーオプ実習において、データ分析の道具として使って欲しいですね。

つっちー:
 そう考えると、「多変量解析」というものは、微積分や線形代数、確率統計、プログラミングなどの基礎を使って、ビジネスとデータサイエンスの両方に活かしていくためのハブになるのかもしれませんね。最後に記事を読んでいる高校生にコメントをお願いします!

鈴木先生:
 データサイエンスは「宝探し」のようなものです。データの中から法則や仮説を見つけたときは、本当にワクワクします。ニュースの統計や部活の記録、SNSのフォロワー数など、身の回りの「数字」に興味を持って、自分なりの仮説を考えてみてください。最近はWebからもたくさんのデータが手に入ります。実際に分析までしなくても構いませんが、「情報Ⅰ」で学んだExcelで簡単な集計やグラフを作ってみるだけでも、プログラミングや統計へのハードルはぐっと下がるはずです。
 そして、「データサイエンス」という言葉だけで進路を選ぶのではなく、「自分は何のためにデータを使いたいのか」を考えてみてください。そのためにも、「総合的な探究の時間」などを通じて、地域やビジネスの課題に対する興味・関心を育ててほしいと思います。こういった課題の解決に興味がある人は、ぜひ地域未来共創学環で一緒に学びましょう。

つっちー:
 データサイエンスに必要な「多変量解析」は選択科目ですが、必修並みかそれ以上に重要な科目であることを実感できました!
 ぜひもっと多くの人に履修してほしいですね!

つっちー・ゆもと:
 本日はありがとうございました!

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