2025.07.11 学環学生が行く!地域未来共創学環教員インタビュー 【第7回 小西 康文先生】

学環学生による教員インタビュー第7弾です。
今回は学生広報アンバサダーのがみーとひろちゃんが、小西康文先生にインタビューを行いました!
がみー :
はじめに、小西先生は、現在どのような研究をされているのですか?
小西先生 :
主な研究は、「物理学」に関する分野です。具体的には、最小単位の物質である原子がどのように振る舞うかという研究ですね。
また、茨城大学ではSSC(スチューデントサクセスセンター)に所属しており、全学部・学環の学生向けに数学・物理・データサイエンスなどの基礎教育も担当しています。地域未来共創学環では、一年次前学期の必修科目である、「微積分学」の授業を受け持っています。
ひろちゃん:
私たちにとっては「微積分学の先生!」という印象が強かったので、まず、小西先生の研究者情報を見て、物理の研究がメインだと知り驚きました。
ちなみに、物理や基礎教育に興味を持ったきっかけは何だったのですか?
小西先生 :
「自分は何からできているのだろう?」「宇宙はどうやってできたのだろう?」といった、疑問から興味を持つようになりました。皆さんは、小さいころ考えませんでしたか?
また、原子の振る舞いのような自然現象の多くは微分方程式などの数式で記述されますが、社会現象を記述することにも数式は使われています。微分方程式や複素解析といった高度な数学を、もっと多くの人が使えるようになれば、地域の課題解決にもつながると考え、基礎教育の研究にも取り組むようになりました。
がみー :
そうだったのですね!
では、小西先生が担当されている「微積分学」の授業内容について教えていただけますか?
小西先生 :
地域未来共創学環での微積分学は、「現象を記述する数理モデルを理解するための基礎科目」と位置づけています。
一年次の必修科目ですが、二年次以降の授業やプロジェクトでも必要になることがあります。具体的な授業内容としては、高校数学Ⅲの復習に大学で学ぶ内容が加わります。数Ⅲを履修していない方も高校生のうちから三角関数や指数関数、数学Ⅱの微積分に慣れておくとスムーズに入れると思いますよ。
ひろちゃん:
なるほど!高校の内容がベースになっているのですね。
そんな微積分を教えている立場から見て、地域未来共創学環の学生には、卒業までにどのような力を身に着けてほしいと考えていますか?
小西先生 :
数学的な視点から言うと、数学的素養を身につけてほしいと思っています。日本の人文社会系の学部では、理系分野に触れる機会が少ないのが現状です。
地域未来共創学環は分野・文理横断型のカリキュラムなので、地域ビジネスデザインプログラムを選択している学生も、微積分のような数学を学ぶことで視野が広がるはずです。
地域課題の解決には学際的な視点が必要ですし、文系・理系を問わず、知識を活かしながら、文理の壁に苦しむことなくお互いに尊重しながら、コミュニケーションや協力し合える関係性が求められていると思います。
がみー :
たしかに、一つの課題に対して多角的な視点が必要ですし、他分野との連携がなければ、効果的な解決には繋がらないと感じます。
では、そんな茨城大学に分野・文理横断型の地域未来共創学環ができたときの心境などあれば教えてください!
小西先生 :
地域の課題というのは、日本全体の課題でもあると思っています。そこに大学が主体的に関わっていくことは、とても意義があることです。
特に、地方のコミュニティの未来をどうデザインしていくかといったテーマは、都市部の大学ではなかなか取り組めません。地方大学である茨城大学が、その先頭に立ってチャレンジするのは良いことだと思い、良い組織ができたなと思いました。
ひろちゃん:
なるほど…、ありがとうございます!
では、先生が大学教員という仕事にやりがいを感じるのはどんな時ですか?
小西先生 :
単位の修得の有無に関係なく、最後まで授業に真剣に取り組み、脱落せずにやり切ってくれた時は、達成感を感じます。
また、理系科目が苦手な学生が、少しでも数学の内容を理解してくれたときには、本当に嬉しいですね。
がみー :
先生の中で、地域未来共創学環の学生が将来どんな進路に進んでいきそうか、イメージはありますか?
小西先生 :
理工学部などの理系学部では大学院に進学して専門的な職業に就く人が多いですが、地域未来共創学環でも、大学院に進んでエンジニア系の道を目指すのは不可能ではないと思います。
それだけでなく、地域未来共創学環生の文理両方を学んできた強みを活かして、「文系のビジネス感覚」と「理系的な知識」の橋渡し役として活躍できる職業を目指すのも良い選択だと思います。
ひろちゃん:
最後に、受験を考えている高校生に向けて、一言お願いします!
小西先生 :
数学が苦手だから、受験に不安を感じている方がいるかと思いますが、授業はグループワークなどを通じて、みんなで助け合いながら進めていく授業計画をしています。前向きな気持ちで、ぜひ挑戦してみてください!
次回は【鈴木 智也先生】へのインタビュー記事を掲載予定です✨