2026.03.11 学環学生が行く!地域未来共創学環教員インタビュー 【第13回 加納 徹先生】
学環学生が行く教員インタビュー第13弾です!
今回は学生広報アンバサダーのりなともっちゃんが、日立キャンパスまで出張!加納 徹 先生にインタビューを行いました!
りな・もっちゃん:
本日はよろしくお願いします。
りな:
はじめに先生の現在行っている研究内容を教えてください。
加納先生:
現在は主に、AIを活用したプログラミング学習支援システムや、VRを活用した調理トレーニングシステム、ARを活用した歯科治療ナビゲーションシステムなど、最新のテクノロジーをうまく使って色々な社会課題を解決するといった研究を行っています。
もっちゃん:
色々な分野の研究をしているのですね。研究の中でも歯科の領域というのが珍しいと感じたのですが、なぜその領域の研究をしようと思ったのですか?
加納先生:
元々私がCTを使った研究をしていたので、医療系の先生と関わる機会が多く、その中で歯科医師の先生とご縁があったためです。私はARやVRといったテクノロジー系が得意ですが、歯科医師系の先生はその領域が詳しく分からないということで、声をかけていただいて長く共同研究をしているという感じですね。
りな:
医療系の分野にもご縁があるのですね。私は調理トレーニングシステムの、切る感覚を力覚デバイスで表すっていうのが新しいなと思いました!特に、大学入門ゼミの教員紹介の時に説明されていた「アジの三枚おろしトレーニング」が面白いと感じたので詳しく教えていただきたいです。
加納先生:
アジの三枚おろしトレーニングはまだ開発段階のシステムなんです。これには力覚だけでなく、CTの研究も取り入れています。食材をCTで撮影すると、魚なら魚の身の情報や骨の密度の情報が3次元的に得られます。密度の違いがCTでは数値で表されているので、数値の高いところで強い反力を提示、低いところで柔らかい反力を提示するように計算して、物体ごとに異なる「切った感触」を体験できるようなシステムになっています。
りな・もっちゃん:
すごい…!
加納先生:
話だけ聞くとすごいと思われるかもしれませんが、まだまだ発展途上です。今はとりあえず、何種類かの野菜を切れるようになっています。まだ刃物を扱うのが難しい子供が料理に興味を持つきっかけとして、仮想空間での調理体験システムは有効であると思っています。将来的には複雑な調理、それこそアジの三枚おろしができるようになりたいですね。この力覚デバイスを学環での学びに結びつけるなら、伝統工芸の技術継承に活かしたいと思っています。後継者がいないといった地域課題が指摘されていますので、伝統的な職人技をデータ化して学習できるという力覚装置の使い方を、学環の中で検討していきたいです。
もっちゃん:
考え方次第で学環でも活用してけるシステムなんですね!色々な研究をされていますが、こういったAIやARなどの分野に興味を持ったきっかけは何ですか?
加納先生:
興味を持ったきっかけとして大きいのは、私が学生時代にソフト開発ベンチャーをやり始めたことです。大学や病院に向けて教育支援や研究支援などの色々なソフトウェアを作った経験から、最新のテクノロジーを活用した教育システム開発やトレーニングシステム開発に興味をもって、現在に至るという感じですね。
りな:
学生時代から開発をしていたんですね!そんな加納先生は地域未来共創学環で、「データ活用法」・「データ活用実践」・「機械学習」の授業を担当されていますが、授業内容について教えていただきたいです。
加納先生:
プログラミングを用いて地域や社会の課題解決をする、そのためのデータ分析や実践的なデータ活用を練習するという内容ですね。基本的な理論の学習に加えて、実際に手を動かしてプログラムを書くという実践形式の授業になっています。

もっちゃん:
学環の先輩からのお話で、「CHIKUWAエディター」というものを授業で使っていると聞いたのですが、どんなものか気になったので詳しく教えていただきたいです。
加納先生:
「CHIKUWAエディター」は、私が開発したオリジナルのプログラミング教育ソフトです。熟練プログラマーのちくわ君と後輩初心者プログラマーのはんぺん君の対話形式で、プログラミングが学べるようになっています。例えば、プログラミングでエラーが出たとき、エラーというのは大体英語で出てしまって、よく分からないですよね。これを最近のChatGPTなどに聞くと一発で答えが出てしまうので、あまり良い学びにはなりません。「CHIKUWAエディター」では、エラーが出た時に「解説」ボタンを押すと、はんぺん君の疑問にちくわ君が回答する形でエラーの解説をしてくれるんです。さらに、回答の内容に制約をかけて、あくまでも解決のためのヒントを出すようなAIを設計しています。ただ、何回もエラーが出て解決方法が分からないという人も一定数いるので、最近はそういった人向けに、同じことを何回も聞くと回答の制約が緩和されて、具体的な解決策を提案するように調整しています。
りな:
授業にオリジナルのソフトを使っているというのが驚きです…!こういった授業で学環生に身に着けてもらいたい力、どういったことを将来に活かしてほしいかなどあれば教えてください。
加納先生:
地域や社会の課題を解決するためのデータ分析の力、そして課題自体を自分で見つけ出す力をぜひ養ってほしいです。課題を発見する能力があると、非常に高い実践力を持った人材になると思います。そのためにはデータサイエンスやプログラミングの知識だけではなく、ビジネスに関する学びも必要になるので、そういった知識を身に着ける上でこの学環はよい環境であると考えています。
りな:
今のお話に繋がってくると思いますが、地域未来共創学環ができたときの感想を聞かせていただきたいです。
加納先生:
私自身が実践的な学びをとても大切にしてきたので、学環もそれを理念とした組織であると知り、強く共感したところがありました。私個人としては、これまで社会課題を広く扱ってきましたが、これからはより実践的な応用領域として、地域の人材育成や地域活性化といった、学環に関わる活動に積極的に取り組んでいきたいと思っています。
もっちゃん:
学環に携わっている工学部系の先生方は何人かいらっしゃいますが、その中で加納先生の研究室の学生さんはどんな研究をしているんですか?
加納先生:
ほとんどの学生が、AR,VR,AI関連の研究を行っています。先ほど見せた研究の大半は学生の成果物でもあります。AR歯科治療支援システムなど、私が進めながら、学生にも協力してもらっているものも多いです。他にも、WebアプリとAIを組み合わせたシステムを開発している学生もいますし、CHIKUWAエディターのようにキャラクターと対話しながら学習するプログラミング教育システムを作っている学生もいます。今の研究室では13人それぞれが、自分の興味に沿った研究に取り組んでいます。

もっちゃん:
その環境に学環生が入っていくイメージですか?
加納先生:
そうなりますね。4年次に卒業研究を選んで私の研究室に入ってくれた学生は、色々なテーマの中から自分の興味にあっているもの、大枠を選んでもらって、細かい部分でぜひ自分なりのアプローチを考えていってもらいたいと思っています。
りな:
最後に受験生へのメッセージをお願いします。
加納先生:
数学やプログラミングの学習をつらいと思う人は多いと思います。ただ、学習を続けていると、きっとある瞬間に、ばらばらだった知識や経験が線で繋がる瞬間が来る、そうすると世界の見え方が一気に変わってきます。なので、その瞬間が来ることを楽しみにしながら、焦らずコツコツと学習に励んでください。
りな:
素敵なメッセージありがとうございます!
りな・もっちゃん:
本日はありがとうございました!
インタビューの途中で学生研究室にお邪魔させていただき、お話の中であった力覚デバイスを実際に体験させてもらいました!ペンのようなもののついたアーム型のデバイスを動かすだけで、物質の弾力の違いや、水による抵抗の違いが感じられました。本当にすごい…!

いかがでしたでしょうか?テクノロジーに関する領域はまだまだ奥が深いですね…。
次回は田原先生のインタビューです!お楽しみに✨