2025.08.25 学環学生が行く!地域未来共創学環教員インタビュー 【第9回 福与 徳文先生】

こんにちは!
地域未来共創学環1年の りな と のんたん です!
今回は地域未来共創学環長でもある福与徳文先生にインタビューを行いました✨
りな:
はじめに、先生の研究について教えてください!
福与先生:
専門は地域計画学で、地域づくりのための計画手法に関する研究です。特に住民参加型の計画手法の研究を、実際の地域で実践しながら行ってきました。実際に地域で取り組んだテーマは、大きく分けて二つあります。一つは、「地域資源の活用による農山村の活性化」です。たとえば茨城県北の常陸太田市では、地域の人たちが地元の魅力を再発見する「お宝探し」を行い、それを地図にまとめて活用法を考え、それをきっかけに地域活性化につなげていく活動を行っています!
もう一つは「災害に強い地域づくり」です。津波や豪雨などの災害に備えて、地域の人たちが専門家の知見を学びながら、自分たちで津波に強い空間計画や、水害に備えた避難行動計画を話し合いながら作っていくという取り組みです。何よりも地域住民が災害を「自分たちのこと」として認識し、それを地域で共有することがとても大切なのです。
のんたん:
先生は大学時代、文学部で学ばれていたとのことですが、なぜ現在は農学部にいらっしゃるのでしょうか?
福与先生:
文学部に入ったのは、もともと歴史学を学んで高校の日本史の教師にでもなろうと思っていたからです。ところが、大学で出会った社会学の先生の話にとても惹かれて、「社会学っておもしろいな」と感じました。その社会学の先生というのが、見田宗介先生です。先生が授業で柳田國男の『明治大正史:世相篇』を題材に、「近代化による色彩の感覚の変化」について話していたのがとても魅力的に感じたので、大学で学ぼうと思っていたことを歴史学から社会学に変えてしまったのです!
りな:
社会学と農学部は一見関係がなさそうに感じますが…?
福与先生:
そうですね。でも、農業、特に水田で行う農業は「個人」だけでできるものではありません。水路の泥さらいをしたり、草刈りをしたりなど、地域の共同作業により農業生産が支えられているのです。だからこそ、農業のことを考えるとき、「農村の地域社会」も一緒に考えなければならなくて、そこで社会学が活きてくるのです。
のんたん:
なるほど。理系・文系の枠を超えた学びですね。
福与先生:
まさにそうです!地域の課題を解決していくには、社会学だけでなく、建築や土木の知識も必要です。だからこそ、分野を越えていろいろな人と一緒に考えることを大切にしています。まさに学環の学び方です。
りな:
先生にとって、大きな転機となった経験はありますか?
福与先生:
東日本大震災の被災地の復興現場に立ったときです。それまでの知識や理論だけではとても太刀打ちできない現実が目の前にあって、さまざまな分野の専門家と連携しなければ前に進めないと痛感しました。その経験から、地域の「こうしたい」をかたちにするために、さまざまな専門家と協働するようになりました。
のんたん:
なるほど…地域では、文系・理系といった枠を越えて協働することが大切なのですね!次に、学環長として、学環に対する思いや展望などがあれば教えてください。
福与先生:
私にとって学環はとても大切な存在です。現在は2年生までの学生しかいませんが、これから本格的にコーオプ実習も始まります。私は学環の準備段階から関わってきたので、今後この学環の卒業生が、地域の企業や自治体と協働して、地域の未来を切り拓いていくことを、とても楽しみにしています。
りな:
最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします!
福与先生:
受験生だけでなく、今の大学生にも伝えたいことなのですが、「大学に入ること」をゴールにしないでほしいと思っています。大学は終点ではなく、むしろスタートラインです。入学してから「自分が何をするのか」「どう過ごすのか」を大切にしてほしいと思います。 授業だけでなく、友人との関係も大切にしてください!私自身、大学時代に友人と交わした会話はいまでも印象に残っています。勉強はもちろん大事ですが、そうした時間も大切だと思っています。ぜひ、大学生活を自分なりに充実させてほしいですね!
次回は【湊 淳先生】へのインタビュー記事を掲載予定です!
お楽しみに✨