2024.09.26 学環学生が行く!地域未来共創学環教員インタビュー 【第1回 内田 聡先生】

今回から地域未来共創学環教員へ学環学生がインタビューする企画をシリーズでお届けします。
第1回は内田 聡先生に学生広報アンバサダーのMOさんとISさんがインタビューを行いました。
MO :
はじめに、内田先生の行っている研究について教えてください。
内田先生:
大きく分けて、3つのことに関心があります。
1つめは、アメリカの金融システムについてです。なぜアメリカかというと、日本の金融を理解し、より良いものにしていくための比較対象にするためです。大学生の時から研究しているのですが、主にアメリカのコミュニティバンクに関心があります。
2つめは、金融と社会システムや地域社会とのかかわりについてです。私は、社会システムの一部として金融が存在していると考えています。金融だけに注目するのではなく、世の中の流れのなかで金融について知ることは重要です。そして時には、逆に金融から地域社会をみることもあります。多角的に金融を捉えたいと考えています。
3つめは、社会システムのあり方についてです。システム・組織・人が多様化するなかで、中央集権的な日本の社会システムも、今後は分散的な仕組みを備えることも重要になってきます。リアルだけでなくメタバースなどのバーチャルな世界が広がっていることも踏まえ、Web3という分散自律型も活用しながら金融に何ができるか、地域社会はどうあるべきかについて研究しています。
MO :
なるほど、金融と地域社会は関係が深いのですね。学環では地域課題解決に向けて学びを深めていくのですが、内田先生の研究とどのように関わりがありますか。
内田先生:
課題解決の手法として、例えばWeb3を扱うことが考えられます。
NFTを知っていますか。アニメやアートなどのデジタルコンテンツのオリジナルとコピーを識別で
き、売買もできるようになります。投機的な一面もありますが、日本では、新潟県長岡市山古志地区
など、NFTを活用した地域おこしが行われているところがあります。NFTを入手すると地域外の人も
「電子住民票」を得られ、「デジタル村民」として「リアル村民」と一緒に活動に携わったりしてい
ます。遠くからでも現地でも継続的に参加できるのは、画期的ですね。

IS :
そのような視点からこの分野の研究をされているのですね。次に、内田先生が担当される金融論、金融システム論の授業の概要を教えてください。
内田先生:
2年次の後学期に開講される金融論は、金融に関して広く取り扱う授業です。講義では、金融の基礎的な理解をベースに実態分析も行い、たとえばキャッシュレス化やフィンテック、中小企業金融や金融政策に関する話題などを取り扱っています。皆さんが金融について学ぶのは初めてだと思うので、「1万円札の製造費は20円程度なのに、なぜ私たちは1万円として使っているのか。」といった身近な問いかけを心がけています。3年次の前学期に開講される金融システム論の授業では、社会の仕組みの変化に対し、金融は何ができるかについて考えていきます。金融論の授業で得た知識をベースとし、アクティブラーニングを行います。私が提示した課題についてグループワークを通して学生自身で考え、発表を行ってもらい、それに対する私のコメントを受けてさらに考えを深めてもらいます。
IS :
今後の授業が楽しみになりました。授業開始前に何かやっておいた方が良いことはありますか。
内田先生:
もし興味があれば、1年次の第3クオーターに基盤教育科目で開講される、金融リテラシー入門という授業を受講しておくと参考になると思います。金融という学問は応用経済学ですので、1年次に開講される経済学の授業を通してミクロ経済学とマクロ経済学の知識を身に付けておくと良いです。その上で金融論、金融システム論の講義を受けると理解が深まると思います。
IS :
わかりました。

MO :
最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします。
内田先生:
学環生には、大局観と本質を見極める力を身に付けてほしいと思っています。社会は著しく変化していきますが、本質的なものが変わることはないと私は考えています。大学での専門的な学修を通じてこれらの力をも身に付けてください。そして、世の中で役立つあるいは引っ張る存在になってほしいです。
高校生の今からでもできる簡単なことがあります。1つめは、身近な出来事に対して理由を考えることです。一日一つ、なんでもよいので自分が接したことについてそれが起こる理由を考えてみてください。大学の学びを通じて、正解だけでなく設問すら分からない世の中で、自分なりの判断と行動ができるようになってほしいですが、その最初の練習になります。
2つめは、理由をつけて話すことです。自分の感性だけで話さずに理由を含めて話す癖をつけると、大学生になって学ぶときの吸収力が上がります。3ヶ月程度継続すると自然と考える力が身に付いてくると思います。
忙しい受験生でも簡単に取り組むことができるので、ぜひ大学生になる準備としてチャレンジしてみてください。
MO、IS:
内田先生、ありがとうございました。

次回は【伊藤 雅一先生】へのインタビュー記事を掲載予定です!
お楽しみに✨