2026.09.07 学環学生が行く!地域未来共創学環『授業紹介』インタビュー 【第2回 「コミュニティビジネス」(福与 徳文 先生)】
↳ PBL(グループワーク)の様子
今回は授業紹介インタビューということで、学環学生広報アンバサダーの みゆ と ゆゆ、インタビュー経験豊富な むーさんの3人が、「コミュニティビジネス」を担当されている福与徳文先生にインタビューを行いました!
むーさん:
まず初めに、「コミュニティビジネス」という授業の内容や特徴について教えてください。
福与先生:
「コミュニティビジネス」とは、地域のさまざまな課題を(行政的な手法ではなく)ビジネスの手法で解決していくことなのですが、全国にはさまざまな先進的な事例があります。まずは、それら最先端の事例から学ぼうということを授業の内容のメインとしました。扱った地域課題は、「限界集落」、「耕作放棄地」、「空き家」の三つで、これらは私のこれまでの研究人生の中で対象としてきた難題です。もちろん、地域には、まださまざまな課題があるのですが、そのほかの地域課題については、上記の3課題の解決を試みている先進事例から学んだことを、受講生が各自で応用してもらおうと考えたわけです。この3課題の中でも特に「限界集落の問題」には3回分の授業を費やしました。1回目は「限界集落問題の本質って何?」ということをテーマにし、2回目の授業では「限界集落の問題を解決に導く産業創出の条件って何?」をテーマにし、3回目の授業では「限界集落問題を考える上でコミュニティ(地域社会)をどう再編させていくか」をテーマにしました。まあ、難題である「限界集落の問題」に正面から取り組めば、そのほかの課題に対しても、いろいろと応用が効くだろうと目論んだわけです。
でも、あまりにも学環に入学してきた一期生(むーさんたちの世代)が主体的で元気な学生が多かったので、事例から学ぶだけ(私の話を聴くだけ)では飽き足らないだろうと思い、授業の後半(第9回から第12回の4回)では、「廃校を活用し、荒廃した棚田を再生するという課題を、コミュニティビジネスを立ち上げて解決する」というテーマでPBL(Project-Based Learning)のグループワークに取り組んでもらいました。このPBLで特筆すべき点は、用いた図面や道具については実際に私が地域づくりのお手伝いをしていた時に使っていたものを使用し、地域住民による計画づくりに関してより実践的に学べるようにしました。

むーさん:
ありがとうございます。先生的にこの授業は基礎的だと思いますか?
福与先生:
かなり応用的で、実践的な授業だと思います。数学やプログラミングなどの基礎的な授業(とっても大切です!)は教科書があります。しかし、私の授業には教科書がありません。また、何か一つの正解がある課題を扱っているわけではありません。地域課題の解決の最前線で頑張っている先進事例から学んで、そこから解決に導く条件や、考え方を引き出していくというスタイルで、私がこれまで取り組んできた農山村の活性化に関する研究をベースにしています。そういった意味でも、大学で行われる応用的な授業は「教員の研究に基づいた授業」ということになりますし、研究で取り組まれているような最前線の事柄ゆえに、「まだ何が正解かわからない」という問題を扱っています。だから、私の話を聞いていても、ただ感心して聞いているのではなく、「それは違うだろう」とか、「私ならこう考える」とか、常にツッコミを入れながら聞いていただきたいと思います。
むーさん:
やはり実際に先生が使われていた図面や道具を活用して、地域づくりの疑似体験できたというのが受講者としてすごくい嬉しかったです。
次に、グループワークの中で学生が陥りやすい考え方などはありますか?
福与先生:
どのグループも似たり寄ったりな考え方になってしまいがちです。しかし、作り上げた内容よりは、地域づくりワークショップのプロセスを学んでいただくことが大事だと考えています。


むーさん:
先生が過去に面白いと思った発想などはありますか?
福与先生:
廃校をレストランや宿泊施設にして、棚田でその食材を栽培するという案を考えるグループが多い中、廃校を映画館として使う案や、スマート農業の展示室にするというのがあったりしましたね。
ゆゆ:
授業の中で出た案が実現されることはありますか?
福与先生:
あくまで授業の題材として実際の廃校や棚田の図面を用いていますので、その廃校や棚田のある地域の地域づくりとは、(現在では)リンクさせていません。実は、ちょっと前まで、題材になっていただいた地域で、まだ廃校活用や棚田再生に取り組んでいた時には、「学生はこんなことを考えていますよ」と地域住民にPBLの成果を見せて、地域住民側も学生の発想からヒントを得ていたこともありましたけど。
むーさん:
グループワークで出た案が地域のためになるとは限らないけど、我々がやり方を習ってどこかで実践できるような力になるということですね。
福与先生:
そう。以前は、グループワークのときに「現地の人に見せるからね」と言ったりしていましたけど、今は、受講生が方法を学ぶための題材になっていただいているということです。
みゆ:
授業で大切にしてほしいことや身に付けてほしい力などはありますか?
福与先生:
実践的な方法だけではなく、「地域に対してこんなふうに仕掛けると、こんなふうに動くな~」という基本的なことを理解してもらえるとよいかなと思います。そういった理解に重要なのが、「理論」です。授業では、「予言の自己成就」とか、「自然村論」など、社会学のやや抽象的な理論を用いて、地域づくりのプロセスや、コミュニティの再編のあり方を説明しましたが、道具や図面の使い方といった実践的な知識だけではなく、理論もとても重要なので、ちゃんと学んでいただきたいと思います。やや抽象的な理論に基づいて実際の事例や、そこで用いた方法を眺めると、まるで小高い丘から周辺の景色を見るように、パ−と視界がひらけて見えるはずです。それこそが理論と実践の往還になると考えます。

↳ 発表会の様子(マイクを握っているのは学環1期生のてっしー)
むーさん:
これから学環に入ってくる高校生に向けてメッセージをお願いします。
福与先生:
「コミュニティビジネス」では、地域の課題をビジネスに結びつけるような、地域づくりの実践的な手法を学べます!それと理論もね。
むーさん・ゆゆ・みゆ:
本日はありがとうございました!
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