トピック

学環学生が行く!地域未来共創学環教員インタビュー 【第15回 田中 泉先生】

今回は学生広報アンバサダーのもっちゃんむーさんが、田中泉先生にインタビューを行いました!

もっちゃん:
 本日はよろしくお願いします。初めに現在取り組んでいる研究内容を教えてください。

田中先生:
 現在は主に計量経済学の分野をやっています。経済が成長していく中で大事な要素は3つあります。1つ目はものを生産するための『労働』。日本の場合は人口が減っているので増やすのは中々難しいです。2つ目は『資本』。機械や設備が増えること、そして3つ目は『技術』。技術が増えると一人当たりでもっとたくさん生産できるようになりますよね。日本の場合はこの3つの要素がバブルのせいで20年間くらい停滞化したんです。バブルの当時は借金しても、それを投資すればすごく儲かった。でも投資がうまくいかなかったときには借金だけが残り、借金した会社はどんどん潰れていく。だから借金した会社は先にそれを返そうとする。すると投資なんかしなくなり、賃金も上がらなかった。つまりたまった利益をどんどん借金を返すのに使って、経済成長に繋がらなかったんです。バブル崩壊後の日本が成長するためには、この3つの要素をどう生産に結び付けるかが重要です。この指標を生産関数と言います。この生産関数が産業ごとでどれだけ違いがあるのかというのを調べてみたいと思っています。茨城県内では以前に取り組みがあって、勉強会にも参加したことがあったんですが、日本全体で生産関数を推計するというのを、計量経済学的な手法でやりたいなと思っています。

むーさん:
 先生がこういった経済の分野や研究者に興味を持ったきっかけはなんですか?

田中先生:
 実は元々理系だったんですが、エンジニアとかは合わないし、教員にもなる気はなくて…。
そうすると文系しかないとなり、文系の中で経済学部に進んでみました。でも経済学部に入ったら「なんだ、これすごい数学使うじゃん」となったんです。あとは物理も好きだったので、「均衡概念って物理と同じじゃない?ものが動くのと経済が動くのって基本的に同じじゃない?」と思ってから興味を持つようになりました。
 また大学時代にシンクタンクという研究所でバイトに入っていました。ここでやっていたのが、その時その時の経済で重要な、色んなテーマの実際のデータを取り扱うことです。適正な為替レートがどのくらいなのかを推計したり、規制緩和がもたらす経済への影響を調べたりしました。次から次に新しいテーマが来るという環境にいたので、色んなものに面白いと感じる人になりました。ただその一方で、次から次に来てしまうから1つのテーマを深くは追求できないことがすごくストレスで、もっと深くやるには研究者になるしかないと思ったのがきっかけです。

もっちゃん:
 先生の学環に対する思いなどがあれば教えてください。

田中先生:
 学環は文理融合という部分もそうなんですが、定員が少ないのがよかったなと思っています。それを実感したのはまさに1期生が入学してきた最初のガイダンスです。まだ初日だから静かだろうなと思いながらガイダンスの教室に向かったんですが、行ってみたらみんなすごくしゃべっていて!「え、知り合い!?そんなことないよな!」って思いました。これは2期生も同じで、それがすごく新鮮でした。これは面白いと、まさにこんなのを狙っていたと思いました。やっぱり1クラスって感じがしますよね。

むーさん:
 そうですね、高校のクラスのままっていう感じがします!

田中先生:
 そこが面白くて、茨大に新しい流れ、今までになかったものができたなって思いました。だからそれを大事に育てていきたいと思っています。また、今1期生も2期生も自分たちで新しいものを作り出していくっていう気持ちを持っている感じがして、それも非常にいいなって思います。これを高校生には伝えたい!普通の大学にはない雰囲気がありますよって、それがいいところだと思いますね。

むーさん:
 少し気になっていたのですが、カリキュラム上、学環生が3年ではなく4年でゼミに入るというのはどう感じていますか?

田中先生:
 僕の人文のゼミの名称って「近代経済学ゼミナール」なんですね。捉え方が広いので、僕のゼミはテーマがものすごくバラエティに富んでいます。だからそういうゼミに来るのは「自分のテーマがまだ決まってない」という人が多いです。そういう人ってどうなるかっていうと、3年で一応こんなことやりたいって言うんだけれど…

もっちゃん:
 テーマが変わる…?

田中先生:
 そう!テーマが2,3回変わっていって最終的に決まるのは4年になってからっていう人も僕のゼミは多いです。テーマが広くて、自由に変えることもできるので僕のゼミの場合は学環生が来てもあんまり違和感ない感じがしますね。

むーさん:
 なるほど!ちなみに、今まであった学生さんの研究で興味深いものとかあったりしますか?

田中先生:
 1つは「かわいいの文化論」ですかね。このテーマをやった彼は「かわいいは不完全なものに対する愛おしさだ」と論じました。だから、日本のアイドルは完全であってはいけない、不完全だからこそ守りたくなるというのがアイドル文化だと。ここから派生して何年後かの学生が日本と韓国のアイドルの育て方の違いについてやりましたね。K-Popのアイドルは完成されている、日本のアイドルは完成されていない、この対比は文化や育て方の違いだと論じたのです。一応経済のゼミなのでビジネス関係とかも入れてもらいつつやっています。あとは個人カフェの研究のために各地のカフェに実際に行って直接取材していた学生もいましたね。狭いところに強烈な興味を持っている人も面白くてそれもいいなと思います。

学生の研究を見ていて、【社会全体にとって】という視点が経済学にはあってほしいなと思っています。学環についているソーシャルという言葉はそこの部分もあると思います。ビジネスは重要、でもこれからはソーシャルという視点を持たなければビジネスとしてうまくいかない時代だよねというのが学環の1つの理念であり、他の各部と違うところです。学環では社会的な視点というものを 1 年から意識しましょう、むしろソーシャルという意識を持った人が入学してきてほしいというのが学環の1つの特徴であり、学環でビジネスを学ぶ意義でもあると思います。

むーさん:
 最後に受験生にメッセージがあればお願いします

田中先生:
 1つあるのは、ソーシャルという視点は持っていてほしいかなと思います。地域でもいいけれど、地域よりもうちょっと広い意味での社会に関する問題意識や関心をどんなことでもいいので持っていてほしいです。そのソーシャルな視点さえ持ってくれていれば、理系・文系どちらでもいいと思いますし、学環に来ても十分対応できるかなと思っています。

もっちゃんむーさん:
 本日はありがとうございました!


次回は岡山先生のインタビューです!お楽しみに✨